【オピニオン】ブレサリアンは迷信なので気を付けよう!

【オピニオン】ブレサリアンは迷信なので気を付けよう!

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ブレサリアンってなに?


ブレサリアン(breatharian)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?ブレサリアンとは、数か月、数年と長期にわたって食べ物も飲み物も摂らずに生きる人々のことを指すものです。

もしそんなことが可能であるなら、食費もかかりませんし、何より作物の栽培に伴う動物の犠牲にも寄与しないで済ませられるため、とても素晴らしいことです。ただ、もしもそんなことが可能であれば、の話です。そして当然そんなことは可能ではありません。より慎重な言い方をすれば、そんなことが可能だという根拠も、そんなことを実践できている人がいる、という証拠も存在しません。

「NASA公認」というデマ


ブレサリアンを支持する人々の多くが持ち出すのが、「Hira Ratan Manekというブレサリアンが、130日間水以外を摂取せずに生き延びたということをNASAが研究で実証している」という話です。しかし、NASAは彼を招いたということ自体を否定していますし、(怪しげなサイトで)「NASAが彼を研究した」という記事はいくつも見つけられますが、「研究資料自体」はどこにも見つけることはできません。反対に、彼がレストランで食事しているところも撮影されています。

別のケースでも同様です。医者や科学者の監視の下で不食が確認された、と言われる実験も、実際には四六時中監視しているわけではなかったり、研究を行っている人たち自身が宗教的な人々で、外部の研究者の参加を認めないものだったりなどと、十分な客観性のある研究は一つもありません。

それらの話に疑わしい点があるのは当然でもあります。実際にそのようなことが可能であると厳重な監視の下で示唆されたのなら、正式な科学研究の対象となり、ネットの都市伝説ページやスピリチュアルページの記事としてではなく、科学ジャーナルで堂々と研究資料が公開され、議論が交わされていることでしょう。

実際に人が死んでいる


こういったデマは笑いごとではすみません。ときに陰謀論やスピリチュアルな信仰に基づく似非科学や反標準医療は人を殺すのです1。ブレサリアニズムが可能だと信じて実践し、亡くなった人々の例がいくつも報告されています(例えばコチラコチラ )。

確かにveganであっても、農作物の栽培から、製品の加工、流通の過程で他の動物たちに及ぼす危害に食品の消費を通して間接的に関与しています。そしてそれらを可能な限りにゼロに近づけるというのはveganの目指すところです。しかし、私たちのすべきことは、それらの消費社会の構造を少しでもマシな形にすることや、作物栽培に現代的な技術を取り入れることを推進していくことであり、超人的な力にすがることではないのです。それは、必ず失敗するだけでなく、veganは怪しげな宗教だという誤解を自ら強化してしまうだけでしょう。

それに、(仮にそれが可能だとして)あなたがブレサリアンになるより、一人でも多くの人をveganに変えることに精進したほうが、結果的に多くの犠牲を減らすことができます。

超人的な力に頼る前に現実にできること、やらなきゃいけないことが山ほどあるのだから、お腹を空かして死んでる暇はありません。veganを増やすために、知り合いを誘ってvegan料理を振る舞いましょう!

脚注:
1) 正確には人だけではありません。サイの角が薬になるという迷信のためにたくさんのサイが殺されてるといった例もありますし、動物を食べなければ健康で生きていけないという信念もこれらの延長と言えるかもしれません。



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